会計知識がなくてもできる!確定申告・青色申告決算書の作り方②【開業初年度の開業費と開始残高のつけ方】

会計知識がなくてもできる!確定申告・青色申告決算書の作り方②【開業初年度の開業費と開始残高のつけ方】

「確定申告とは?青色申告とは?」が理解できたら、次に進みましょう!

青色申告決算書類の最初の1歩は、まずは開業費をつけて、「開始残高」をつけるところからスタートです。

会計初心者の方にもわかるように、なるべく専門用語を避けてポイントのみをザックリ解説していきます!

>>>会計知識がなくてもできる!確定申告・青色申告決算書の作り方①【フリーランス翻訳者1年生向け】

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開業費とは?

個人事業主として開業するまでに、かかった経費のことです。

開業前からいろいろ出費しているはず!

フリーランスの翻訳者として開業する前に、きっと皆さん、いろいろお金がかかったはずです。

私の場合は、主に以下のものにお金がかかりました。

  • 翻訳学校の授業料
  • パソコン用のモニター
  • パソコン用のキーボード(翻訳者の皆さんが絶賛している、東プレのいいキーボードを買っちゃいました)
  • 辞書類(高い!)
  • 文法書、英語関連本など(無駄にたくさん。。。)
  • TOEIC受験費用(翻訳者としてトライアルに受かるために足しになるなら、と受験しました)
  • TOEIC対策に受講していたオンライン英会話授業料
  • 電話代、インターネット代

などなどです。

こういった、開業のためにかかった費用を「開業費」としてつけれるのです。

後ほど説明しますが、開業費をちゃんとつけているといないとでは、支払う税金の金額が全然違ってきます。

開業のタイミングがいつになるかわからない段階であっても、とりあえずは、領収証やレシートなどは必ず保管しておいてくださいっ!

いつの出費からつけられるの?

法律では、開業費として認められる支出の期間は特に明確に決まっているわけではありません。

常識的に考えて、半年~1年前くらい、というように書いてあるサイトや本が多いですが、そこに関して明確な規定はありません。

開業費として認められる支出の期間は明確ではありません。税務署が適正と判断するかどうかによって開業費と認められるかどうかが決まるためです。

多少期間が長めであっても税務署に対してきちんと納得のいく説明ができるのであれば問題ありませんよ。

ということなので、「開業の2年前に通っていたこの翻訳学校の授業料は、翻訳者として独立して仕事をするために必要だった費用です」というように、きちんと説明できれば問題なさそうです。

なので、やはり、「いつか個人事業主として開業したい!フリーランスになりたい!」と思った時点で、振込履歴や領収証類は大切に保管しておくのがおすすめです。

開業費のつけ方

個人事業主として、開業した後は、白色申告か青色申告かで多少の違いはありつつも、かならず帳簿をつけなくてはなりません。

しかし、開業前にはまだ事業は始めていないので、帳簿はありません。

なので、開業費は、「開業する時点で、開業にかかった費用の合計がわかればよい&領収証やレシートなどが残っていればよい」そうです。

Marimo
でも、結局、開業費の合計金額を出すためには、領収証やレシートの合計金額を計算しないといけないので、最初からエクセルで簡単な現金出納帳のようなものを作っておいたほうがいいと思い、私の場合は、開業前の段階から、月に1回エクセルに経費をつけていました。

そして、開業する直前に開業費の合計を出しました。

開業費は節税にものすごい威力を発揮する

開業費のすごいところは、「任意償却」といって、開業後のどの年度にでも、好きな時につけていいということです!

つまり、黒字が出て税金を払わないといけなくなった年度に、経費としてつけていいということです。

例えば、開業費で50万円かかった場合、

 

1年目: 赤字→課税されず

2年目: 赤字→課税されず

3年目: 30万円の黒字→ここで開業費30万円を償却することにすると、課税されず!

4年目: 50万円の黒字→ここで開業費20万円を償却することにすると、課税額が30万円に!

という感じになるのです。

(青色申告の場合は、1年目と2年目の赤字を繰り越せるので、本当はそれでも節税になるのですが、ここでは単純に開業費を説明するため考慮にいれていません)

いつでもいいというのが、すごい。。。10年後とかでもいいってことですよね。

Marimo
だから、開業費が節税にものすごい威力を発揮すると言われているのですね~。

会計ソフトで開業費をつける方法

私は、マネーフォワードクラウド確定申告という会計ソフトを使っているので、この会計ソフト上で具体的にどうやって開業費をつけるのかを説明していきます。

開始残高と開業費をつける

開始残高とは、1月1日時点の資産や負債の残高を記入するところです。

今年度に開業した人の場合は、開業日時点の預金残高などを記入します。

開業準備に使用した経費は「開業費」として計上します。

開業日が会計期間中であっても、個人事業主の場合には期首日は1月1日でOK

マネーフォワードクラウド確定申告での「開始残高」と「開業費」の入力例

以下の例で考えていきます。

 

開業日の時点でA銀行とB銀行を事業用の銀行にして、各銀行に預金残高が50万円ある。

開業費は30万円かかった。

 

 

まず、開始残高ページを開きます。

「資産の部」(左側=借方)にある普通預金にA銀行50万円、B銀行50万円と入力します。

そして、開業費を30万円と入力します。

また、A銀行の50万円+B銀行の50万円+開業費の30万円=合計130万円は、個人資産から支出しているため、元入金の欄に130万円を入力します。

マネーフォワードで開業費をつける方法

 

 

元入金とは?

元入金とは開業時に、個人事業主が自分で用意した資金のことです。

2年目以降は、前年度の利益・損益を元入金と通算して計算するので、元入金の金額は毎年変わります。

とりあえず、開業初年度は、「元入金=自分で用意した資金」という理解で大丈夫です。

まとめ:開業費は大事!会計ソフトには合計金額のみの入力でOK

開業費のポイントをまとめると以下のようになります。

  • 開業費は開業前にかかった経費のこと
  • 開業費は、開業後のいつの年度につけてもOKなので節税につながる
  • レシートや領収証、振り込み履歴など支払いが証明できるものを残しておくこと
  • 開業費は合計がわかればよいが、エクセルなどで帳簿をつけておいたほうがよいとされている
  • 会計ソフトに入力するのは開業費の合計金額のみ

青色申告決算書類の最初の1歩はまずは開業費をつけて、「開始残高」をつけるところからです。

ここがなかなか難しいなと感じてしまうかもしれませんが、これさえ乗り越えれば、あとは売上と経費を日々つけていくだけです!

そうすれば、青色申告決算書類は会計ソフトが自動で計算して作ってくれます。

Marimo
とにかく、開業費だけは本当に、開業前に知識として知っておかないと損しちゃうので、レシートだけは開業したいな~くらいの時期から集めておいたほうがいいです!

 

次回は、「会計知識がなくてもできる!確定申告・青色申告決算書の作り方③【発生主義について】」に続きます。

会計知識がなくてもできる!確定申告・青色申告決算書の作り方③【発生主義について】

 

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ABOUTこの記事をかいた人

シングルマザー翻訳者のMarimoです。
結婚後、専業主婦として2人の子供を育てていたのですが、離婚の危機に直面して、フリーランスの実務翻訳者として働こうと一念発起!
30代から独学カランメソッドイングリッシュセントラルで英語の勉強を始めて、2年間でTOEIC600点→900点に。
翻訳の基本はフェローアカデミーで学んで、実務翻訳は独学しました。
できるだけ安く英語力をアップさせる方法、翻訳の独学方法、実務翻訳に役立つ本、辞書システムの紹介など、今まで役に立った方法を中心に紹介しています!
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